人の記憶はあいまいなもの
人間の記憶って、とてもいい加減で、あいまいなものなのだそうですよ。
ある実験で、車の衝突事故の映像を観てもらい、その後「車がぶつかったときに、車はどれくらいのスピードが出ていましたか」というような内容の質問をしたのだそうです。
そして、その質問の際、質問の表現として「接触した」「ぶつかった」「激突した」というような言葉におきかえてみたのだそうです。
そうすると、その質問の仕方によって、返ってきた答えにばらつきがあったのだそうで、「接触した」と質問した時には時速50キロぐらい、「ぶつかった」と質問したときは時速60キロぐらい、「激突した」と質問したときには時速65キロぐらいだったのだそうです。
このように質問の仕方のよって、記憶の内容に変容が起こってしまうことを「語法効果」というのだそうです。
これって、怖いですよね。
まさに、これが誘導尋問などに使われるのかもしれませんね。
また、同じような実験では、短い映画を観せた後で「道を走って小屋を過ぎたときの車のスピードは何キロでしたか?」と質問したのだそうです。
このとき、映画の中には小屋なんてなかったのですが、1週間後に「小屋があったかどうか」を質問すると、2割の人が「小屋はあった」と答えたのだそうです。
これは、1週間前に質問されたとの記憶によって、無意識に「小屋があった」ということを記憶の中に植え付けられてしまったのだそうです。
ですので、これまで自分の記憶に自信を持っていた人は、あまり過信しないほうが良さそうですよ。